制震など地震対策も、基礎も大事!基礎の役割とその種類
2018-03-30 構造
はじめ
何事も基礎が大事とはよく言いますが、住宅を建てる際ももちろん「基礎」が重要となってきます。建物と地盤とのつなぎ役である「基礎」、まさに縁の下力持ちですが意外に皆さん詳しくは知らないのではないでしょうか?今回はそんな基礎についてお話させていただきます。
基礎の種類
基礎の種類は大きく分けて直接基礎と杭基礎という二種類があります。建物の重量などの長期の鉛直荷重に対して地盤表層分が十分な耐力をもっていれば直接基礎、そうでなければ杭基礎を通常は採用します。ちなみに地震力の場合は水平荷重を考慮します。直接基礎のなかでも大きく布基礎とベタ基礎の二種類に分けられます。
布基礎とは
布基礎とは逆T字形状、もしくはL字形状の基礎のことです。連続基礎とも呼ばれます。土台となる木材の位置にコンクリートを立ち上げて建物を支える形式です。かつては、立ち上がりコンクリート以外の建物下には土が露出していましたが、近年は土の部分に防湿シートとコンクリートを敷いて地面からの湿気が上がってこないような対策が一般的となっています。布基礎の「布」とは、布製という意味ではありません。「布」という言葉にはもともと平坦や長手という意味があるのです。
ベタ基礎とは
ベタ基礎とは主に地盤の弱いところなどで使用される基礎のことです。ベタ基礎は布基礎で防湿用のコンクリートを敷く部分を更に頑丈にします。例えば布基礎の防湿用コンクリートの中には細い金属ワイヤ―メッシュを入れるのですが、ベタ基礎の場合は太さ9ミリ以上の鉄筋を格子状に重ねて入れることに加え、コンクリート自体の厚さも12センチ以上に打設する必要があります。当然布基礎よりもコストがかかる工法といえます。ちなみにベタ基礎の「ベタ」とは全面に広がっているという意味です。
杭基礎とは
杭基礎とはベタ基礎を採用するような地盤よりも更に軟弱で、地盤改良が必要な地盤で採用される基礎工法となります。建物の荷重を支えることが出来る地盤まで杭を打ち込むことにより、建物を支持します。杭の種類には現場で打設(流し込む)コンクリート杭と工場で事前に製造した既製コンクリート杭、金属を使用した鋼管杭などがあります。
まとめ
いかがでしょうか、ひとことで基礎といってもいろいろな種類があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。家を建てる際どの基礎工法を採用するかは建てる土地の地盤の硬さが関わってきます。その土地が軟弱かそうでないかを調べるには古地図を見てみるのも効果的です。古地図は比較的大きな図書館などで閲覧可能です。また、自治体や国土交通省が公開しているハザードマップもぜひ参考にしてみてください。地盤や基礎を考えることは地震対策にも直結します。耐震、制震で更なる安心安全を考えましょう。